北海道・旭川の秋は、澄んだ空気とともに美しい紅葉が街を彩り、グルメやアート、温泉などの魅力がぎゅっと詰まった季節です。
しかし、観光スポットが広範囲に点在しているため「1日で効率よく回れるプランが知りたい」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、秋の旭川を満喫するためのおすすめ1日観光プランをご紹介します。
朝は「北の嵐山」で芸術と自然を体感し、市街地の公園や美術館で文化に触れ、夕方は神秘的な渓谷や温泉で締めくくる…そんな充実した過ごし方を、地元情報と最新観光データをもとにご提案します。
紅葉・グルメ・アート・温泉という4つの秋の魅力を凝縮した、旭川の「旬な1日」をお楽しみください。
朝のスタートは「北の嵐山」で芸術と自然を満喫
陶芸・ガラス工房で旭川の“芸術の秋”を体験
旭川市の西側に位置する「北の嵐山」は、まるで京都の嵐山を思わせる小高い山々に囲まれた静かなエリアです。
この地域には、明治時代から続く窯元やガラス工房が点在しており、秋の澄んだ空気の中でアート体験ができる絶好のスポットとなっています。
たとえば、旭川最古の窯元「大雪窯」では、陶芸体験が可能。手びねり(2,750円)や電動ろくろ(4,400円)のコースがあり、旅の思い出として湯呑やお皿を作ることができます。
カテゴリ | 窯元 |
---|---|
エリア | 北海道 , 旭川 |
住所 | 北海道旭川市旭岡2-9 |
駐車場 | 有り(10台) |
電話番号 | 0166511972 |
クレジットカード | 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、DC、 Nicos、 UFJ、 SAISON CARD、 ニッセンレン) |
備考 | ※陶芸体験もできます(要予約・カードご利用不可) |
また、色ガラスが美しい「淳工房」では、板ガラスを使ったフュージング体験(2,200円)も人気です。カラフルなガラスを切り出し、アクセサリーや小皿に仕上げる工程は、大人にも子どもにも楽しめます。
板ガラスを《ガラス切り》を使い 三角や四角に切り それらのガラスを
重ねて電気炉で焼きつけるガラス体験。
*費用 2200円(税込)
*所要時間 2時間
*要予約 2名様 以上
*用意する物 エプロン 軍手
*焼成に日数がかかりますので、その日にお持ち帰りはできません。
(地方発送可 送料:道内495円~ 本州990円~)
*日曜日不可 10名様以下午前中に限る最大受け入れ人数15名
・2時間で下記の様な作品が作られます。
*住所:旭川市旭岡2丁目8ー1 tel 0166-53-8512 fax 0166-53-8536 | |||
e-mail : glassjun@aqua.ocn.ne.jp URL:http://juncobo.sakura.ne.jp |
どちらの工房も予約制となっているため、事前に電話やサイトから予約しておくと安心です。
ギャラリー巡りとカフェでほっと一息
工房を巡ったあとは、北の嵐山に点在するギャラリーやクラフトショップで、地元作家の作品に触れてみましょう。
木工・染物・ガラス・陶芸など、旭川の自然をテーマにした作品が並び、見るだけでも心が癒されます。
おすすめは「ギャラリー木GLASS」や「クラフトショップきめ」。木の温もりを感じるアイテムは、お土産としても人気です。
ギャラリー巡りに疲れたら、近隣のカフェで一休み。「北の嵐山カフェ カモミール」では、手作りのパンやハーブティーを楽しみながら、ゆっくりと流れる時間に身を委ねてみてください。
秋風を感じながらのカフェタイムは、まさに贅沢なひとときです。
嵐山展望台から望む紅葉の絶景
北の嵐山を訪れたら、ぜひ展望台まで足を運んでみてください。
旭川市街を一望できる嵐山展望台は、標高253メートル。秋には赤や黄に染まる木々が広がり、まるで絵画のような景色を楽しめます。
展望台へは嵐山公園センターからのハイキングコース(片道約30分)がおすすめ。コース途中には、アイヌの伝統的住居「チセ」の復元施設もあり、文化的な学びも得られます。
歩きやすい服装と靴で、軽いハイキングを楽しみながら、紅葉の中に身を置いてみましょう。
タイミングが合えば、エゾリスなどの野生動物に出会えることもあり、自然好きにはたまらないスポットです。
ランチはローカル感たっぷりの隠れ家カフェへ
北の嵐山「カモミール」の手作りパンとキッシュ
午前中を北の嵐山で過ごしたあとは、そのままエリア内にあるカフェ「カモミール」でランチを楽しむのがおすすめです。
三角屋根の外観が可愛らしいこのカフェは、地元食材をふんだんに使った手作り料理で人気を集めています。
特に秋のおすすめは「キッシュランチセット(1,300円)」。旬の野菜をふんだんに使ったキッシュと数種類のサラダ、自家製パンがワンプレートに盛られ、ボリュームも栄養も満点です。
パンは天然酵母「ホシノ酵母」を使っており、外はカリッと中はふんわりとした食感が絶妙。飲み物はコーヒー・紅茶・ハーブティーから選べ、食後の一息にもぴったりです。
晴れた日にはテラス席も開放されており、紅葉を眺めながらのランチタイムはまさに至福のひととき。
旭川ラーメンなら「蜂屋 五条創業店」もおすすめ
もう少しローカル色の強いランチを楽しみたい方には、旭川ラーメンの名店「蜂屋 五条創業店」も外せません。
創業1947年の老舗で、「焦がしラード」が香ばしい豚骨醤油ベースのスープが特徴です。
一番人気の「しょうゆラーメン」は、力強いコクとスモーキーな風味がクセになる味わい。中太縮れ麺との相性も抜群で、旭川ラーメンの中でも特に地元民からの支持が厚い一杯です。
観光客だけでなく、昼時には地元の会社員や学生でにぎわうローカルな雰囲気も魅力のひとつ。
芸術的な体験のあとは、地元に根ざした“味覚の芸術”を堪能してみてはいかがでしょうか。
食後に立ち寄りたい旭川のクラフト雑貨店
ランチのあとは、北の嵐山や市街に点在するクラフト雑貨店を訪れてみましょう。
たとえば「クラフトショップきめ」では、旭川近郊の職人たちが手掛けた木工雑貨や陶器、アクセサリーなどが揃っており、ひとつひとつに温もりと物語が込められています。
中でも人気なのが、手作りのキャンドルホルダーや靴ベラ。自社ブランド「kime」として展開しており、旅の思い出にぴったりのアイテムです。
店舗内には愛猫の「せんむ」が店番をしていることもあり、運が良ければ癒しの出会いがあるかもしれません。
雑貨を通して旭川の“手仕事文化”に触れる時間は、旅の満足度をさらに高めてくれるはずです。
午後は旭川市街の文化と自然スポットを散策
常盤公園でのんびり紅葉散歩
ランチのあとは、旭川市街の中心部にある「常盤公園」へ足を運びましょう。
この公園は、街中にありながら豊かな自然に囲まれた癒しのスポットとして、地元民から長年親しまれています。
公園内の池には白鳥が優雅に泳ぎ、秋にはイチョウやカエデが色づき始め、まるで絵葉書のような光景が広がります。
特に10月上旬から中旬にかけてが見頃で、赤や黄色の葉が落ち葉の絨毯をつくり、歩いているだけで心がほぐれていきます。
公園の近くには道立の「北海道立旭川美術館」や、市立図書館などの文化施設もあり、紅葉を楽しみながらふらりと立ち寄ることも可能です。
都市と自然が見事に調和したこのエリアは、時間を忘れてのんびり過ごしたくなる空間です。
三浦綾子記念文学館で文学と風景を楽しむ
常盤公園から車で約10分ほどの場所にある「三浦綾子記念文学館」も、秋の旭川を感じられる文化スポットのひとつです。
代表作『氷点』の舞台として知られる旭川の自然とともに、作家・三浦綾子の生涯と作品に触れることができます。
館内では初版本や直筆原稿、愛用品などが展示されており、文学ファンでなくとも感動するほどの資料の充実ぶり。
また、窓の外には見本林の紅葉が広がり、作品世界と現実の風景が重なる特別な空間が演出されています。
文学館を出たあとは、見本林内をゆっくりと散策するのもおすすめ。静けさの中で感じる秋の気配が、旅の感性を豊かにしてくれるはずです。
上野ファームで秋のガーデン散策
午後の締めくくりにおすすめなのが、「上野ファーム」でのガーデン散策です。
市街地から車で約20分のこのファームは、四季折々の草花が咲く“北海道ガーデン街道”のひとつとして全国的にも知られています。
秋にはコスモスやダリアなどが見頃を迎え、イングリッシュガーデンと北国の風土が融合した独特の景観を楽しめます。
カフェスペースやファームショップも併設されており、ガーデン散策の合間にドリンクやスイーツでほっと一息つくのも良いでしょう。
さらに、ファーム内には「ノームの庭」や「ノーザンギャラリー」といった写真映えスポットも多く、SNS用の写真を撮るにもぴったり。
自然の中でゆっくりと過ごすことで、旅のテンポを少し緩めることができ、秋の深まりをより感じられる瞬間となります。
夕暮れ時は神秘の渓谷「神居古潭」で締めくくり
神居古潭橋から望む紅葉と渓谷の美
午後の散策を終えたら、夕暮れ時に訪れたいのが旭川市西部の名所「神居古潭(カムイコタン)」です。
ここは、石狩川の激流が岩を削った美しい渓谷で、アイヌ語で「神の住む場所」を意味する神聖な地。
中でも「神居古潭橋」から望む景色は絶景で、秋になると渓谷の両岸に広がる紅葉が川面に映り、幻想的な雰囲気を醸し出します。
夕方には日が低くなり、木々が赤や黄金色に輝く時間帯がとくに美しいため、写真撮影にも最適です。
また、橋の上から渓谷を眺めると、自然の力と神秘を肌で感じられ、静かに心が洗われるような感覚に包まれます。
アイヌ文化に触れる神聖な空間
神居古潭は、古くからアイヌ民族の聖地とされており、その文化的背景も注目すべきポイントです。
石碑や資料館では、神居古潭の歴史やアイヌの伝承について学ぶことができ、単なる自然観光ではない「意味のある体験」ができます。
この地は、かつて物資輸送の難所であり、多くのアイヌ人が命を落とした場所。そのため、今でも慰霊碑が立ち、訪れる人々が手を合わせています。
秋の夕暮れにここを訪れると、自然の美しさと人々の祈りが交差するような厳かな空気に包まれ、心の奥まで響く体験となるでしょう。
観光というより「対話の場」として、この地の意味を噛みしめながらゆっくり歩くことをおすすめします。
幻想的な夕景が広がる撮影スポット
神居古潭は、写真愛好家や風景画家にも人気のスポットです。特に紅葉の時期の夕暮れ時は、空と川、そして渓谷の木々が織りなすグラデーションが圧巻です。
神居古潭橋の中央に立ち、夕陽が差し込む瞬間を狙えば、ドラマチックな一枚を撮影することも可能です。
また、橋のたもとから下流に向けての景色も見逃せません。流れる川の音、風に舞う落ち葉、木々の香り――五感すべてが刺激される時間になるはずです。
周囲には人が少なく、静けさが保たれているため、自分自身と向き合う時間にもぴったり。旅の最後に訪れることで、旭川の秋をしっとりと締めくくることができます。
旅の終わりに温泉で癒される贅沢な時間
比布温泉「遊湯ぴっぷ」で心も体もぽかぽか
一日の観光を締めくくるのにぴったりなのが、旭川近郊にある比布町の温泉施設「遊湯ぴっぷ」です。
旭川駅から車で約30分、自然に囲まれた静かな立地にあり、地元の人々にも長く親しまれてきた名湯。
泉質はアルカリ性単純温泉で、肌にやさしく、疲労回復や冷え性にも効果があるとされています。
内湯だけでなく、外の風を感じられる露天風呂も完備されており、秋の澄んだ空気の中で湯に浸かる時間は格別。
夕暮れの空や、色づいた木々を眺めながら体を温めれば、心もほぐれていきます。
また、施設内には地元の仕出し会社による本格的な和洋食レストランも併設されており、温泉後の食事も楽しめるのが魅力です。
層雲峡温泉で紅葉と温泉を同時に楽しむ
時間と余裕がある方には、旭川から車で約1時間の場所にある「層雲峡温泉」もおすすめの立ち寄り先です。
標高が高いため、紅葉の時期が旭川よりも少し早く、9月下旬から10月中旬にかけて見頃を迎えます。
「紅葉谷」や「紅葉滝」など、名前の通り紅葉に囲まれた絶景スポットが点在し、そのまま露天風呂から美しい紅葉を楽しめる宿も多数。
人気の宿泊施設「ラビスタ大雪山」などでは、木造りの温もりある空間で、四季の移ろいを感じながらゆっくりとくつろげます。
また、日帰り入浴が可能な宿もあるため、宿泊せずに気軽に訪れることも可能です。
自然美と温泉の癒しを同時に堪能できる層雲峡は、まさに“北海道の奥座敷”とも言える存在です。
日帰りでも立ち寄れる温泉施設まとめ
旭川近郊には、旅の終わりに立ち寄れる日帰り温泉施設が複数存在します。以下におすすめをまとめました。
・遊湯ぴっぷ(比布町)
地元色が強く、静かな環境でゆっくり浸かれる温泉。食事付きプランも好評。

・高砂温泉(旭川市)
市街地に近く、アクセスが便利。大浴場やサウナが充実しており、短時間でもリフレッシュ可能。

・森のゆ ホテル花神楽(東神楽町)
自然に囲まれたロケーションで、露天風呂からの眺望が魅力。道の駅「ひがしかぐら」も隣接しており観光にも便利。

いずれの施設も清潔感があり、手ぶらで訪れてもOKなレンタルセットが揃っているため、観光帰りにふらりと立ち寄ることができます。
旅の最後を温泉で締めくくれば、心身ともにリセットされ、翌日からのエネルギーが自然と湧いてくることでしょう。
まとめ:秋の旭川を1日で堪能する理想の過ごし方
秋の旭川には、自然、文化、芸術、食、温泉といった旅の醍醐味がギュッと詰まっています。
今回は、それらを効率良く味わえる1日観光プランをご紹介しました。
朝は、「北の嵐山」で陶芸やガラス体験を楽しみ、展望台から紅葉を望む非日常の時間を。
昼は、隠れ家的なカフェでランチをとりつつ、クラフト雑貨に触れるローカルな文化体験を。
午後は、常盤公園や文学館、上野ファームで心を整え、旭川の「静かな魅力」を再発見。
夕方からは、神秘的な渓谷「神居古潭」で自然と歴史に触れ、幻想的な紅葉の景色に癒されます。
そして旅の締めくくりには、旭川周辺の温泉に浸かり、ゆったりと一日を振り返る時間を持ちましょう。
このように、旭川は「自然と都市」「歴史と現代」「文化と食」が見事に融合するエリア。
1日という限られた時間でも、五感すべてが満たされる体験が可能です。
あなたも今年の秋、旭川で特別な1日を過ごしてみませんか?
この記事を参考に、ぜひ自分だけの「秋の旭川観光プラン」をカスタマイズしてみてください。
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